🧬 業界・専門知識
Beene の鍼灸師・施術者として、お客様の身体を扱う以上「知らない」では済まない領域。
鍼灸の歴史と法令/解剖学(特に危険領域)/肌科学/ダイエット理論/衛生管理 を体系化しました。入社2ヶ月以内通読 → 確認テスト合格を目指してください。
① 鍼灸の歴史と法令
1-1. 日本の鍼灸の歩み
1-2. 鍼灸師の法的位置づけ
| 資格 | 業務範囲 | 取得方法 |
|---|---|---|
| はり師 | 鍼を用いて疾病の治療・予防・保健の目的で施術 | 3年制以上の養成課程 → 国家試験合格 |
| きゅう師 | 灸を用いて同上 | 同上(はり・きゅうは同時取得が一般的) |
| あん摩マッサージ指圧師 | 手技による施術 | 別途国家試験 |
1-3. やっていいこと・やってはいけないこと
・特定の病気の診断(診断は医師の独占業務)
・薬の処方/医療機器(レーザー・高周波等の医療用)の使用
・鍼灸の効果を断定(「○日で○cm減」など景表法違反)
1-4. 関連法令の早見表
| 法令 | サロン業務との関係 |
|---|---|
| あはき法(鍼灸法) | 鍼灸師の業務範囲・広告規制 |
| 医師法 | 「医療行為」の境界。診断・薬処方は医師のみ |
| 医薬品医療機器等法(薬機法) | 化粧品・医薬部外品・機器の表示規制 |
| 景品表示法 | 「絶対」「No.1」など効果の優良誤認禁止 |
| 個人情報保護法 | カルテ・写真・連絡先の管理 |
| 消費者契約法 | 長期高額契約のクーリングオフ・解約ルール |
| 特定商取引法 | サブスク・プログラム契約の表示・解約 |
詳細:コンプライアンスページ
② 解剖学(顔面筋・血管・神経・経穴)
美容鍼で 「どこに、どの深さで、何を狙って」 刺すかを構造で理解する。
知らないままの施術は、お客様を一生の傷物にする可能性があります。図ごと暗記してください。
2-1. 顔面の主要筋肉マップ(正面図)
🎨 Beene 整理図(カラー分けで覚える)
2-2. 各筋肉の働き・施術ポイント早見表
| 筋肉 | 働き | 悩みとの関連 | 施術深さ目安 | 狙い・注意 |
|---|---|---|---|---|
| 前頭筋 | 眉を上げる | 横じわ・額のたるみ | 1〜3mm | 水平刺・骨膜まで届けない |
| 皺眉筋 | 眉を寄せる | 眉間の縦じわ | 2〜4mm | 表情のクセ改善 |
| 眼輪筋 | 瞼を閉じる | 目尻シワ・くま・たるみ | 1〜2mm | 眼球を絶対避ける/極浅刺 |
| 鼻筋 | 鼻孔を広げる | 鼻のシワ・小鼻のたるみ | 1〜2mm | 骨膜近接で出血しやすい |
| 頬骨筋(大・小) | 口角を上げる | 頬のたるみ・ほうれい線 | 3〜6mm | 表情リフト効果が最も出やすい |
| 口輪筋 | 口を閉じる・尖らす | 口周りのシワ・梅干しジワ | 1〜2mm | 放射状刺鍼 |
| 口角下制筋 | 口角を下げる | マリオネットライン | 2〜4mm | 緊張緩和で口角UP |
| オトガイ筋 | 下唇を上げる | 顎の梅干しジワ | 2〜4mm | 緊張過多が多い |
| 咬筋 | 噛みしめる | エラ張り・食いしばり | 5〜15mm | 太い動脈走行に注意・可触で確認 |
| 側頭筋 | 顎を後方に引く | 頭痛・こめかみハリ | 3〜8mm | 浅側頭動脈と交差 |
| 広頚筋 | 首を引き下げる | 首の横ジワ・フェイスラインたるみ | 1〜3mm | 頸動脈の深刺絶対NG |
2-3. 血管・神経の危険領域(DANGER ZONE)
🎨 Beene 整理図(危険ゾーン色分けマップ)
2-4. 皮膚〜骨の層構造と鍼の深さ
2-5. 美容鍼で頻出する主要経穴(10ツボ)
🎨 Beene 整理図(10ツボの位置を覚える)
| # | 経穴 | 取り方 | 主な効能 |
|---|---|---|---|
| ① | 印堂(いんどう) | 左右眉頭の中点 | 眉間シワ・自律神経・睡眠 |
| ② | 攢竹(さんちく) | 眉頭のくぼみ | 目疲れ・前頭筋緊張 |
| ③ | 瞳子髎(どうしりょう) | 目尻外側のくぼみ | 目尻シワ・カラスの足跡 |
| ④ | 素髎(そりょう) | 鼻先中央 | 鼻づまり・自律神経 |
| ⑤ | 巨髎(こりょう) | 瞳孔直下、鼻翼外側 | 頬リフト・ほうれい線 |
| ⑥ | 地倉(ちそう) | 口角の外側 | 口角下制筋緩和・口角UP |
| ⑦ | 承漿(しょうしょう) | 下唇下のくぼみ | 顎の梅干しジワ |
| ⑧ | 頬車(きょうしゃ) | 下顎角の前上方、咬筋上 | エラ張り・食いしばり |
| ⑨⑩ | 太陽(たいよう) | こめかみ、眉外端と目尻の中点後方 | 頭痛・側頭筋緊張・目疲れ |
2-6. 出血・神経刺激・迷走神経反射 対応フロー
| 事象 | 初期対応 | 備考 |
|---|---|---|
| 軽度出血(点状) | 清潔ガーゼで5〜10分圧迫止血 | 多くは数分で止まる |
| 血腫(あざ)形成 | 48時間冷却 → その後温罨 | 「数日〜2週間で消失」と説明+写真記録 |
| 顔面神経刺激(ピリピリ) | 即抜鍼 → 経過観察 | 多くは数分で改善。改善なければ医療連携 |
| 迷走神経反射(顔面蒼白・冷汗・気分不良) | 水平体位+足挙上 → 声かけ → 水分 | 初診者・空腹時に多い。施術前ヒアリング徹底 |
| 気胸の疑い(呼吸困難・胸痛) | 即救急要請(119) | 鎖骨上窩・肩甲骨内側の深刺事故時 |
③ 肌科学(皮膚構造・ターンオーバー・老化メカニズム)
美容鍼は「肌の構造と老化メカニズム」を理解してこそ提案・カウンセリングに説得力が出ます。
3-1. 皮膚の3層構造(拡大断面図)
🎨 Beene 整理図(学習用に簡略化)
| 層 | 厚さ | 主成分 | 主な役割 |
|---|---|---|---|
| 表皮 | 0.1〜0.3mm | 角化細胞・メラノサイト・ランゲルハンス細胞 | バリア・色素・免疫 |
| 真皮 | 1〜3mm | コラーゲン70% / エラスチン2% / ヒアルロン酸 / 線維芽細胞 | ハリ・弾力・水分保持 |
| 皮下組織 | 変動 | 脂肪細胞・血管・神経 | 断熱・クッション・栄養供給 |
3-2. ターンオーバー(表皮細胞の生まれ変わり)
3-3. 年代別ターンオーバー周期
3-4. 肌バリア機能の3要素(角質層拡大)
| 要素 | 役割 | 不足時 | 補い方 |
|---|---|---|---|
| 皮脂膜 | 水分蒸発防止・表面コーティング | カサつき・つっぱり・粉吹き | 洗いすぎNG・適度な皮脂は残す |
| セラミド(細胞間脂質) | 異物侵入阻止・水分保持 | 敏感肌化・赤み・かゆみ・炎症 | セラミド配合美容液・摩擦回避 |
| NMF(天然保湿因子) | 角質細胞内の水分保持 | くすみ・小ジワ・キメ乱れ | アミノ酸・PCA・尿素配合化粧品 |
3-5. 肌老化の3大原因(光老化・酸化・糖化)
対策:SPF30+ 日焼け止め通年・帽子・サングラス。
UV-A:真皮まで到達 → シワ・たるみ
UV-B:表皮損傷 → 日焼け・シミ
対策:抗酸化(ビタミンC・E・ポリフェノール)/睡眠/禁煙
対策:糖質過多・揚げ物・高温調理を避ける
3-6. 美容鍼の作用機序(コラーゲン産生サイクル)
3-7. シミ・シワ・たるみの分類とアプローチ
| 悩み | 原因層 | 主な原因 | 美容鍼アプローチ | ホームケア |
|---|---|---|---|---|
| 表皮シミ(老人性色素斑) | 表皮 | UV蓄積 | 血流改善でターンオーバー促進 | UV対策・ビタミンC |
| 肝斑 | 表皮〜真皮 | 女性ホルモン・摩擦 | 炎症抑制重視(強刺激NG) | こすらない・トラネキサム酸 |
| 表情ジワ | 表情筋 | 表情のクセ | 該当筋の緊張緩和 | 表情癖の意識 |
| 真皮ジワ(深いシワ) | 真皮 | コラーゲン減少・乾燥 | 線維芽細胞活性 | レチノール・保湿 |
| たるみ毛穴 | 真皮 | 真皮構造低下 | 頬骨筋・SMAS刺激 | レチノール・ビタミンC |
| フェイスラインたるみ | SMAS〜筋層 | 支持靱帯緩み・脂肪下垂 | 咬筋・側頭筋・広頚筋 | 姿勢・舌位置改善 |
| くすみ(茶/黄/青) | 表皮〜真皮 | 角質肥厚/糖化/血行不良 | 血流改善/代謝促進 | 糖化対策/睡眠 |
3-8. お客様への基本ホームケア指導(4ステップ)
④ ダイエット理論(エネルギー収支・PFC・停滞期・体組成)
Hari-Slim 担当者は必修。Beene のダイエット指導の鉄則は 「短期で痩せる」ではなく「リバウンドしない身体作り」。
4-1. エネルギー収支の基本(シーソーで理解)
4-2. 1日の消費カロリー内訳(円グラフ)
基礎代謝(BMR)を増やす2大要因:① 筋肉量/② 内臓活動。脂肪1kgは13kcal/日、筋肉1kgは50kcal/日消費。
BMR 計算式(ハリス・ベネディクト改定)
・女性:BMR = 9.247 × 体重kg + 3.098 × 身長cm − 4.330 × 年齢 + 447.593
・男性:BMR = 13.397 × 体重kg + 4.799 × 身長cm − 5.677 × 年齢 + 88.362
・1日総消費 ≒ BMR × 活動係数(座位1.2 / 軽運動1.375 / 中運動1.55 / 高1.725)
4-3. PFCバランス(栄養素の理想配分)
| 栄養素 | 1g | 1日目安(体重60kg) | 主な食品 | 役割 |
|---|---|---|---|---|
| P タンパク質 | 4kcal | 72〜120g(体重×1.2〜2.0) | 鶏胸・卵・魚・豆腐・プロテイン | 筋肉維持・酵素・ホルモン |
| F 脂質 | 9kcal | 40〜60g | オリーブ油・ナッツ・アボカド・青魚 | 細胞膜・ホルモン・ビタミン吸収 |
| C 炭水化物 | 4kcal | 200〜280g | 米・パン・麺・芋・果物 | 脳・筋肉のエネルギー |
⚠ 極端な糖質制限は 筋肉分解+停滞期早期到来 を招く。最低でも体重×2g/日 のCを確保。
4-4. 食品カロリー早見表(よくある食品100gまたは1食)
| 食品 | kcal | P | F | C |
|---|---|---|---|---|
| 白米(茶碗1杯 150g) | 252 | 3.8 | 0.5 | 55.7 |
| 食パン(6枚切1枚) | 158 | 5.6 | 2.6 | 28.0 |
| 鶏むね(皮なし 100g) | 108 | 22.3 | 1.5 | 0 |
| 鮭(1切 100g) | 133 | 22.3 | 4.1 | 0 |
| 卵(M1個 50g) | 71 | 6.1 | 5.0 | 0.2 |
| 豆腐(絹 100g) | 56 | 4.9 | 3.0 | 2.0 |
| 納豆(1パック 45g) | 90 | 7.4 | 4.5 | 5.4 |
| サラダ油(大さじ1) | 111 | 0 | 12.0 | 0 |
| ナッツ(1掴み 30g) | 180 | 5.5 | 17.0 | 5.0 |
| バナナ(1本 100g) | 86 | 1.1 | 0.2 | 22.5 |
| 板チョコ(1枚 50g) | 279 | 3.7 | 17.1 | 27.6 |
| ビール(中瓶 500ml) | 202 | 1.5 | 0 | 15.5 |
| ハイボール(350ml) | 95 | 0 | 0 | 0 |
4-5. 運動による消費カロリー(体重60kg・30分)
| 運動 | METs | 消費kcal | 備考 |
|---|---|---|---|
| ウォーキング(普通) | 3.5 | 110 | 1日30分が WHO 最低推奨 |
| 早歩き | 5.0 | 158 | 会話できるかできないかの速度 |
| 軽いジョギング | 7.0 | 220 | |
| サイクリング(中) | 6.8 | 214 | |
| 水泳(クロール ゆっくり) | 5.8 | 182 | 関節負担少ない |
| 筋トレ(中強度) | 5.0 | 158 | 消費は少ないが基礎代謝UP効果が大 |
| ヨガ | 2.5 | 79 | 消費より柔軟・自律神経調整 |
| 家事(掃除) | 3.3 | 104 | 「ながら活動」でも積み上がる |
4-6. 体重推移グラフ(停滞期はなぜ起きるか)
4-7. ホメオスタシス(停滞期メカニズム)
4-8. 停滞期の突破口(スタッフの伝え方)
4-9. 体組成の見方(体脂肪率・筋肉量・水分量)
| 項目 | 女性 標準 | 女性 ダイエット目標 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 体脂肪率 | 22〜30% | 20〜25% | 15%以下は生理不順リスク |
| 内臓脂肪レベル | 1〜9 | 5以下 | 10超は生活習慣病リスク |
| 骨格筋率 | 26〜30% | 30%以上維持 | 筋肉量↑=基礎代謝↑ |
| BMI | 18.5〜24.9 | 20〜22 | 22 が最も病気リスク低 |
| 体水分率 | 50〜55% | 同左 | 変動大、過度に気にしない |
4-10. リバウンドのメカニズムと防止
- 急激な減量(月5%超) → 基礎代謝が大きく落ち、戻ったら反動倍増
- 制限解除後の暴食を防ぐ:ゆるめる時も少しずつ
- 筋肉量を維持しながら脂肪を落とす:タンパク質体重×1.5g+週2〜3回筋トレ
- 週1回の体重・体組成チェックを習慣化(目で見える化が最強の予防)
- 「ダイエット終了」の概念を捨てる:維持期もメニューを継続
⑤ 衛生管理(感染対策・鍼の取扱い・滅菌)
感染事故は 会社存続レベルの問題。法令遵守+現場の習慣化。
5-1. 鍼の取扱いルール
- 使い捨て鍼(ディスポ)が標準。再使用厳禁
- 未使用鍼の保管:清潔・乾燥・指定棚。直射日光NG
- 使用後鍼:耐貫通性容器(鍼廃棄ボックス)に即廃棄。一般ゴミに混入禁止
- 廃棄ボックスが満杯になる前に医療廃棄物業者へ引渡(業者と契約)
- 鍼を床に落とした場合:絶対に拾って使わない。即廃棄
5-2. 施術前後の手洗い・消毒
- 施術前:流水手洗い30秒+アルコール消毒
- 使い捨て手袋は 1顧客1組。途中で別の場所を触ったら交換
- 施術部位の消毒:刺鍼前にアルコール綿で1回
- 施術後:器具の片付け→手洗い→次の準備
5-3. ベッド・タオル・備品の衛生
- 枕カバー・フェイスタオル:1顧客1枚使い捨てもしくは即洗濯
- ベッドの消毒:1顧客終了ごとにアルコール拭き
- 共用備品(カウンセリング筆記具・タブレット等)も適宜消毒
- 院内空気:1日3回以上の換気+空気清浄機
5-4. オートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)
HALicht横手などの鍼灸特化店舗で器具滅菌に使用。
- 使用ごとに滅菌記録(日時・対象・滅菌バッジ確認)を保管
- 滅菌記録は法令上3年保管必須
- 定期点検:月1回内部清掃/年1回業者点検
5-5. 感染症対応
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| スタッフが発熱・体調不良 | 出勤前に店長へ連絡=出勤停止。代替シフト調整 |
| 顧客の感染症(B型肝炎・HIV等)申告 | カルテに記録(同意の上)/使い捨て徹底/不安あれば施術延期も検討 |
| 針刺し事故(自分・他者) | 即時:流水洗浄+圧迫止血→当日中に医療機関受診(HIV曝露後予防は72時間以内)→インシデント報告 |
| 院内クラスター発生 | 即時休業+保健所連絡+濃厚接触者の特定 |
「面倒だから」「いつもやってるから」を言い訳に手順を省略しない。毎回・全員・徹底が原則。
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関連:コンプライアンス / 緊急対応 / インシデント報告 / ダイエットコーチング
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- Gray's Anatomy(1918年版)プレート 378 / 508 / 789 / 790 / 792 — Public Domain(米国著作権切れ)
- 06_Hegasy_Skin_Layers_Receptors_Wiki_EN_CCBYSA.png — © Guido Hegasy / CC BY-SA 4.0
- Skin_layers.svg — © Madhero88 & M.Komorniczak / CC BY-SA 3.0
- Channels and points of the front of the head and neck (1763) — Wellcome Collection / CC BY 4.0
- Acupuncture chart of front of head, 17th C. Chinese woodcut — Wellcome Collection / CC BY 4.0
- Body_mass_index_chart.svg — InvictaHOG / Public Domain
- Metabolism_diagram.svg — Zlir'a / CC0
入手元:Wikimedia Commons / Wellcome Collection
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